BIMI を設定する

BIMI(Brand Indicators for Message Identification)標準を使用して、組織から送信されるメールに組織のロゴを追加できます。BIMI をサポートするメール クライアントでは、受信者のメールボックスに組織のメールとともにロゴが表示されます。BIMI で使用されるロゴは第三者によって検証されているため、受信者は受信トレイにあるロゴが正当なものであることを確認できます。

BIMI では、ドメインとロゴのサードパーティ認証が必要です。サードパーティ認証は、Verified Mark Certificate(VMC)または Common Mark Certificate(CMC)である必要があります。VMC と CMC のロゴ要件について詳しくは、始める前にをご覧ください。

Gmail では、VMC で確認済みの送信者の横にチェックマークが表示されます。Gmail 以外のウェブアプリではこの機能はサポートされていません。 

目次

始める前に

BIMI を使用するには:

  • サードパーティの認証局(CA)から発行されたドメイン用の VMC または CMC が必要です。
  • ドメインに DMARC を設定する必要があります。
  • 公開ウェブサーバーが BIMI をサポートしている必要があります。

ロゴが VMC または CMC の対象であることを確認する

BIMI でロゴを使用するには、CA から発行された VMC(推奨)または CMC を取得する必要があります。

VMC を取得するには、ロゴが、VMC 発行元が認める知的財産権機関に商標登録されている必要があります。ロゴを商標登録するには、法務チームまたは弁護士にご相談になることをおすすめします。商標登録の手続きには 6~12 か月かかる場合があります。BIMI を最も安全に設定するには、可能な限り VMC を取得することをおすすめします。

ロゴが商標登録されていない場合は、CMC が付与されているロゴを使用して BIMI を設定できます。CMC の取得要件を確認するには、商標証明書の発行元で、BIMI をサポートしている現在の CA を確認してください。

BIMI をサポートするように DMARC を設定する

BIMI では、メールを DMARC で認証する必要があります。DMARC は、ユーザーが決定したポリシーに基づいて未認証メールを処理するメールの標準です。DMARC を設定するには、まずドメインに SPF または DKIM を設定する必要があります。

BIMI をサポートするには、ドメインの DMARC ポリシーで次の DMARC レコード値を使用する必要があります。

  • ポリシー オプション(p)は、[quarantine] または [reject] に設定する必要があります。BIMI では、p オプションが [none] に設定されている DMARC ポリシーに対応していません。
  • パーセント オプション(pct)は [100] に設定する必要があります。この値にすることで、ドメインからのすべての送信メール(100%)に DMARC ポリシーが適用されます。

DMARC ポリシーを作成する手順については、DMARC を設定するをご覧ください。

公開ウェブサーバーが BIMI をサポートしていることを確認する

BIMI ファイルをホストするウェブサーバーは、HTTPS プロトコルを使用する必要があります。以前のバージョンの TLS を使用しているサーバーと安全に接続するために、サーバーで TLS バージョン 1.2 以降を使用することをおすすめします。セキュアな TLS 接続では、TLS 証明書で指定されたプロトコルを使用する必要があります。TLS 証明書には、信頼できるサーバーのルート認証局(CA)証明書への参照を含める必要があります。

BIMI ウェブサーバーの要件については、確認済み商標証明書の取得と検証をご覧ください。これは、共通の商標証明書にも適用されます。

手順 1: ロゴの SVG ファイルを作成する

BIMI で使用するロゴは、Scalable Vector Graphics(SVG)ファイル形式である必要があります。SVG は、さまざまな解像度でロゴを表示できるオープン標準の画像形式です。VMC または CMC を申請する際は、SVG 形式でロゴを提出し、このページの要件を満たしている必要があります。

このセクションの要件を満たしているファイルであれば、利用可能なアプリを使用してロゴ SVG ファイルを作成できます。Adobe Illustrator とテキスト エディタで SVG ファイルを作成するには、BIMI SVG ファイルを作成する(詳しい手順)をご覧ください。

BIMI SVG ファイルに関する Gmail の要件と推奨事項

BIMI 標準の要件に加えて、BIMI SVG ファイルについて、次の Gmail の要件があります。

  • 画像のサイズは、高さと幅を 96 ピクセル以上にする必要があります。
  • 画像サイズは絶対ピクセルで指定する必要があります。例: width=”96” height=”96”
  • 画像サイズを指定する際に相対サイズを使用しないでください。例: width=”100%” height=”100%”

この要件に加えて、SVG ファイルと Gmail の互換性に関する推奨事項を以下に示します。

  • ロゴ画像は正方形の中央に配置する必要があります。
  • ロゴ画像の背景は無地である必要があります。透明な背景は想定どおりに表示されないことがあります。
  • SVG ファイルのサイズは 32 KB 以下である必要があります。
  • アクセシビリティのために、SVG ファイルには <desc> 要素(説明)を含める必要があります。

SVG ファイルの BIMI 標準要件

このセクションでは、SVG ファイルの BIMI 標準要件について概説します。要件の一覧については、BIMI 標準のセクション 5.2 をご覧ください。

SVG ファイルに以下を含めることはできません。

  • (指定された XML 名前空間以外の)外部リンクまたは外部参照
  • スクリプト
  • アニメーションやその他のインタラクティブな要素
  • x= 属性または y= 属性(<svg> ルート要素内)
SVG ファイルの属性
ファイル形式 SVG Tiny Portable/Secure(SVG Tiny PS)。SVG の一種です。詳細
baseProfile 属性 tiny-ps
version 属性 1.2
<title> 要素 厳密な要件はありませんが、組織名を反映した値を使用することをおすすめします。

手順 2: VMC または CMC と関連ファイルを取得する

Gmail などのメール クライアントは、PEM ファイルでのみ BIMI をサポートしています。PEM ファイルを使用すると CA によって検証されるため、ロゴのセキュリティが強化されます。

BIMI 用にスタンドアロン SVG ファイルを使用する場合(Gmail や他のメール クライアントではサポートされていません)は、次の手順をスキップして SVG ファイルをアップロードする(このページの後半)に進んでください。

  1. 商標登録されたロゴを SVG 形式で送信し、商標証明書の発行元に記載されている認証局のいずれかに VMC または CMC をリクエストしてください。
  2. VMC または CMC が発行されると、エンティティ証明書の PEM ファイルを受け取ります。SVG ファイル(ロゴ)と VMC または CMC が PEM ファイルに埋め込まれます。
  3. CA から中間 CA 証明書とルート CA 証明書を取得し、発行順に PEM ファイルに追加します。通常、順序はエンティティ証明書、中間 CA 証明書、ルート CA 証明書の順です。次の手順で、公開ウェブサーバーにこのファイルを追加します。

手順 3: PEM ファイルをアップロードする

  1. PEM ファイル(すべての追加ファイルを含む)をドメインの公開ウェブサーバーにアップロードします。
  2. 次の手順で BIMI アサーションの TXT レコードに含めるため、PEM ファイルの URL をコピーします。PEM ファイルの URL の例: https://images.example.com/brand/certificate.pem

SVG ファイルをアップロードする

PEM ファイルではなく SVG ファイルで BIMI を使用している場合(Gmail や他のメール クライアントではサポートされていません):

  1. SVG ファイルをドメインの公開ウェブサーバーにアップロードします。ウェブサーバーは、送信メールサーバーと同じドメインにある必要があります。
  2. 次の手順で BIMI アサーションの TXT レコードに含めるため、SVG ファイルの URL をコピーします。

手順 4: BIMI TXT レコードを追加する

ドメインで BIMI を有効にするには、ドメイン プロバイダで BIMI アサーションの TXT レコードを追加する必要があります。レコードを追加してから受信者のメールボックスにロゴが表示されるまでに、最長で 48 時間ほどかかることがあります。BIMI アサーション TXT レコードの作成と追加の詳細な手順については、BIMI TXT レコードをドメインに追加する(詳しい手順)をご覧ください。

BIMI アサーションの TXT レコードの例をいくつか示します。ドメイン名とファイル名は実際に使用する名前に置き換えてください。

  • ロゴを含む PEM ファイルを使用している場合、TXT レコードは次の例のようになります。

    v=BIMI1;l=;a=https://images.solarmora.com/brand/certificate.pem

  • ロゴに SVG ファイルを使用する場合、TXT レコードは次の例のようになります。

    v=BIMI1;l=https://images.solarmora.com/brand/bimi-logo.svg

BIMI アサーションの TXT レコードについて詳しくは、Brand Indicators for Message Identification(BIMI)のセクション 4.2 をご覧ください。

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