メールの内容に基づいてメール配信を管理する

管理者は、指定した特定の単語を含むメールを Gmail がどのように処理するかを指定するルールを作成できます。これらのルールは、受信メール、送信メール、またはその両方に適用できます。ルールを使用して、Gmail でメールを拒否または検疫したり、メールを変更してから配信したりするように指定できます。たとえば、機密情報が含まれることが「機密」という単語により示された送信メールを拒否するルールを作成できます。また、ルールで指定した不適切な単語を含む受信メールを検疫することもできます。

[不適切なコンテンツ] 設定を使用するには、単語リストを作成して、一致する単語を含むメールを処理する方法を指定します。

始める前に

コンテンツ マッチの仕組み

不適切なコンテンツに関するルールを作成する場合は、以下の点にご注意ください。

  • コンテンツ マッチに使用する単語は 1 つのみにしてください。コンテンツ マッチは、文字列に対応していません。コンテンツ マッチでは、1 つのルールに複数の単語を含めることができます。
  • 単語の大文字と小文字は区別されません。たとえば、独自の単語リストに「BAD」を追加した場合、「BAD」、「bad」、「Bad」という単語が含まれるメールはすべて一致として扱われます。
  • ルールがメールに適用されている場合、完全な単語のみがサポートされます。たとえば、独自の単語リストに「bad」を追加しても、「badminton」という単語が含まれるメールは一致として扱われません。
  • 単語の照合は、メールの件名、本文、テキストの添付ファイルに対して行われます。
  • 単語を角かっこで囲む(例: [BAD])場合には対応していません。ルール内のテキストが角かっこを含み、これがルール内のコンテンツと一致した場合であっても、ルールは無効になります。角かっこで囲まれたテキストに対してルールをトリガーする必要がある場合は、コンテンツ コンプライアンス ルールを作成し、(?i)\[(BAD)\] のように正規表現を使用してトリガーするようにしてください。

動的メール

組織で不適切なコンテンツのルールおよび動的メールをご使用の場合は、動的メールへのコンプライアンス ルールの適用に関する記事をご確認ください。

設定の適用方法

オプションを変更しない限り、ルールは組織部門のすべてのユーザーに適用されます。親組織から継承したルールを子組織で無効にできます。また、各組織に複数のルールを追加することもできます。

複数のルールを設定する場合、メールの処理は設定した条件とルールの優先順位によって決まります。詳しくは、複数の設定によるメール処理への影響をご覧ください。

不適切なコンテンツに関するルールを設定する

ヒント: 新しいルールをテストし、組織内で正しく機能することをご確認いただくことをおすすめします。詳しくは、ルールテストを迅速に行うための推奨事項をご確認ください。

  1. Google 管理コンソールログインします。

    管理者アカウント(末尾が @gmail.com でないもの)でログインします。

  2. 管理コンソールで、メニュー アイコン  次に  [アプリ] 次に [Google Workspace] 次に [Gmail] 次に [コンプライアンス] にアクセスします。
  3. [コンプライアンス] の [不適切なコンテンツ] の設定までスクロールしてカーソルを合わせ、[設定] または [別のルールを追加] をクリックします。
  4. [設定を追加] ボックスで次の操作を行います。
    設定オプション 手順
    必要な情報: 新しいルールの名前または説明を入力します。このフィールドが空の場合は、新しい設定を保存できません。
    影響を受けるメール

    ルールを適用するメールを選択します。

    • 受信 - 組織外のユーザーから送信されたメール。
    • 送信 - 組織内のユーザーから送信されたメール。
    • 内部 - 送信 - 内部のユーザーから送信されたメール。内部の送信者からのメールには、[From] 欄に組織のドメインまたはサブドメインが含まれます。
    • 内部 - 受信 - 内部のユーザーからの受信メール。内部の送信者からのメールには、[From] 欄に組織のドメインまたはサブドメインが含まれます。

    内部のドメインと見なされるのは、確認済みの Workspace ドメイン、または確認済みの Workspace ドメインのサブドメインや親ドメインです。

    各メールで検索する語句を追加
    1. [独自の不適切な単語] チェックボックスをオンにします。
    2. [単語を入力] に、ルールをトリガーする単語を入力します。ガイドラインは次のとおりです。
      • 各単語をカンマで区切ります。
      • 文字列はサポートされていません。
      • ルールをトリガーするには、ここに入力する単語の少なくとも 1 つが、メール本文、件名、または添付ファイルに含まれている必要があります。

    コンテンツ マッチの仕組みをご確認ください

    上の表現が一致する場合は、次の処理を行う

    ルールをトリガーするメールの処理オプションを選択します。

    • メールを拒否 - 受信者に到達する前にメールを拒否します。一致するメールには、他のルーティング ルールやコンプライアンス ルールは適用されません。Gmail で自動的に追加される 550 5.7.1 などの SMTP 拒否コードは、SMTP(メール)標準はこれを必須にしており、削除できません。必要に応じて、[拒否通知のカスタマイズ] にカスタム バウンス メッセージを入力し、送信者にメールが拒否された理由を知らせます。
    • メールを検疫する - メールを管理者検疫に送信します。管理者は、メールが配信される前に検疫したメールを確認し、配信するか拒否するかを決定できます。この項目は、アカウントの種類が「ユーザー」の場合にのみ利用できます。詳しくは、影響を受けるアカウントの種類をご覧ください。メールが検疫されたときに送信者に通知するには、[メールが検疫されたときに送信者に通知する(配信時のみ)] チェックボックスをオンにします。
    • メールの変更 - メールを配信する前に、ヘッダーの追加、添付ファイルの削除、エンベロープ受信者の変更、受信者の追加、ルートの変更を行います。
    メール オプションの変更

    上記の [メールの変更] を選択した場合は、一致するメールを配信前に変更する方法を指定します。

     X-Gm-Original-To ヘッダーを追加

    受信者が変更された場合にヘッダータグを追加して、受信側のサーバーが元のエンベロープ受信者を認識できるようにします。ヘッダータグの形式は、X-Gm-Original-To: [email protected] です。

    X-Gm-Spam ヘッダーと X-Gm-Phishy ヘッダーを追加

    迷惑メールとフィッシングのステータスを示すヘッダーを追加します。受信サーバーの管理者は、この情報を使用して迷惑メールやフィッシング メールを管理するための特別なルールを設定します。詳しくは、迷惑メールヘッダー設定をすべてのデフォルトのルーティング ルールに追加するをご覧ください。

    カスタム ヘッダーを追加

    この設定の対象となるメールにカスタム ヘッダーを追加できます。たとえば、設定に指定した説明と一致するヘッダーを追加できます。カスタム ヘッダーを付けておくと、メールが特定の方法で転送されたときやルール処理が行われたときに、その理由がわかりやすくなります。

    件名の先頭に追加するカスタム テキスト

    一部のメールの件名の先頭にカスタム テキストを追加できます。たとえば、機密性の高いメールの場合は「機密」と入力します。「月次レポート」という件名のメールによってルールがトリガーされると、受信者には「[機密] 月次レポート」という件名で表示されます。

    ルートを変更、迷惑メールのルートも変更する

    • ルートを変更 - メールの送信先をデフォルトの Gmail サーバーから Microsoft Exchange などの別のメールサーバーに変更できます。

      : ルートを変更する前に、管理コンソールで新しいルートを追加する必要があります。詳しくは、Gmail の高度な配信設定(メールルートの追加)をご覧ください。

    • 迷惑メールのルートも変更する - [ルートを変更] をオンにすると表示されます。明らかな迷惑メールは配信時に即座に除去されますが、[迷惑メールのルートも変更する] チェックボックスをオンにすると、迷惑メールに分類したメールもすべて転送されます。迷惑メールではなく通常のメールを転送する場合は、このチェックボックスをオフにします。管理コンソールのメール設定(事前に承認済みの送信者など)は、迷惑メールの設定よりも優先されます。

    • この受信者からのバウンスメールを送信元に送信しない - 設定したメールルートにバウンスメールを送信しないようにするには、このチェックボックスをオンにします。たとえば、自動システムにバウンスメールが届かないようにしたい場合などにこの設定を行います。受信側のメールシステムにバウンスメールが届くようにしたい場合は、このチェックボックスをオフのままにします(メールが配信されなかったことを送信者に知らせる場合など)。

    エンベロープ受信者を変更

    メールは元の受信者のメールボックスに配信されずに、新しい受信者に送信されます。 次のいずれかの方法でエンベロープ受信者を変更します。

    • 受信者のメールアドレス全体を置換する - [宛先を置換] の後に完全なメールアドレス([email protected] など)を入力します。
    • ユーザー名を置換する - 受信者のメールアドレスのドメインはそのままでユーザー名のみを変更するには、[@存在するドメイン] の前にユーザー名(user など)を入力します。
    • ドメインを置換する - 受信者のメールアドレスのユーザー名はそのままでドメインのみを変更するには、[現在のユーザー名@] の後にドメイン(solarmora.com など)を入力します。

    新しい受信者のドメインに対する MX ルックアップによって宛先サーバーが特定されます。[ルートを変更] を使用する場合、宛先サーバーは指定したルートによって決まります。 Bcc で別の受信者を指定するには、後述の [受信者を追加] を使用します。

    このメッセージには迷惑メールフィルタを適用しない

    迷惑メールフィルタによって迷惑メールと認識された場合も、受信者にメールを配信します。これは受信メールにのみ適用されます。送信メールの迷惑メールフィルタをオフにすることはできません。: アカウントの種類が「グループ」の場合は使用できません。詳しくは、影響を受けるアカウントの種類をご覧ください。

    メッセージから添付ファイルを削除

    メールから添付ファイルを削除できます。添付ファイルが削除されたことを受信者に通知するテキストを追加することも可能です。

    受信者を追加

    1. 二重配信または多重配信を設定するには、[受信者を追加] 次に 追加アイコン をクリックします。
    2. 個々のメールアドレスを追加するには、[基本] 次に [保存] をクリックします。
    3. (省略可)さらにアドレスを追加するには、追加アイコン をクリックします。
    4. (省略可)セカンダリ配信の詳細設定を行うには、[詳細管理] を選択します。

      セカンダリ配信について、エンベロープ受信者の変更、ヘッダーの追加、カスタム件名の追加、添付ファイルの削除を行うことができます。注: アカウントの種類が「グループ」のものに対しては、[この受信者に迷惑メールを送信しない] の詳細設定オプションを選択できません。

    受信者を追加するときは、次の点を考慮してください。

    • 各ルールで追加できる受信者の数は 100 人までです。
    • メインの配信の設定は、セカンダリ配信にも適用されます。
    • セカンダリ配信では、[この受信者に迷惑メールを送信しない] チェックボックスと [この受信者からのバウンスメールを送信元に送信しない] チェックボックスがデフォルトでオンになります。
    • 受信者を追加すると、受信者ごとにメールが作成され、Gmail の詳細設定が各メールに適用されます。

    暗号化(配信時のみ)

    デフォルトで、Gmail では TLS(Transport Layer Security)を使用したメールの配信が試行されます。セキュアなトランスポートを利用できない場合、メールはセキュリティで保護されていない接続を介して配信されます。

    設定の条件に一致するすべてのメールがセキュリティで保護された接続を介して送信されるように指定するには、[セキュアなトランスポート(TLS)を使用する] チェックボックスをオンにします。送信側または受信側で TLS を使用できない場合、メールは送信されません。

    G Suite Enterprise または G Suite Enterprise for Education アカウントをご利用の場合は、メールを返送したり、メールが S/MIME で暗号化されている場合にのみ送信したりすることも可能です。詳しくは、ホスト型 S/MIME でメールのセキュリティを強化するをご覧ください。

    影響を受けるアカウントの種類(省略可)

    選択したメール処理と設定する組織部門の種類によっては、適用できないアカウントの種類があります。

    設定を適用するアカウントの種類を選択します(複数選択可)。

    • ユーザー(デフォルト) - 設定はプロビジョニング済みの G Suite ユーザーに適用されます。送信メールに関する設定は、ユーザーがメールを送信するとトリガーされます。受信メールに関する設定は、ユーザーがメールを受信したときにトリガーされます。
    • グループ - 組織内で設定したグループに適用されます。送信メールに関する設定は、グループからメンバーにメールや要約が転送されたときにトリガーされます。受信メールに関する設定は、グループがメールを受信するとトリガーされます。
    • 認識できない、キャッチオール - プロビジョニング済みのどの G Suite ユーザーにも一致しないメールが組織に届いたときに設定がトリガーされます。処理対象は受信メールのみです。

    : [グループ] と [認識できない、キャッチオール] は、次の設定には適用されません。

    • X-Gm-Spam ヘッダーと X-Gm-Phishy ヘッダーを追加
    • このメッセージには迷惑メールフィルタを適用しない
    • 迷惑メールのルートも変更する

    終了したら、設定を追加して保存するに進みます。

    エンベロープ フィルタ(省略可)

    エンベロープの特定の送信者と受信者にのみ適用するには、エンベロープ フィルタを設定します。

    1. [設定を追加] ウィンドウの下部にある [オプションを表示] をクリックします。
    2. 次のいずれかまたは両方をオンにします。
      • 特定のエンベロープ送信者にのみ適用する
      • 特定のエンベロープ受信者にのみ適用する
    3. リストからいずれかの項目を選択します。
      • 1 個のメールアドレス - ユーザーの完全なメールアドレスを入力します。
      • パターン一致 - ドメイン内の一連の送信者または受信者を指定する正規表現を入力します。次に例を示します。

        ^(?i)(user1@solarmora\.com|user2@solarmora\.com|user3@solarmora\.com)$

        詳しくは、正規表現を使用する際のガイドラインをご覧ください。

      • グループ メンバー - リストから 1 つ以上のグループを選択します。エンベロープ送信者の場合は送信メールにのみ適用され、エンベロープ受信者の場合は受信メールにのみ適用されます。まだグループを作成していない場合は作成します。

        注: このオプションは、グループ メンバーと子グループのメンバーに影響します。たとえば、グループ B がグループ A のメンバーである場合、このオプションはグループ A とグループ B のメンバーに影響します。

  5. [設定を追加] ボックスの下部にある [保存] をクリックします。変更には最長で 24 時間かかることがありますが、通常はこれより短い時間で完了します。詳細

関連トピック

ホスト型 S/MIME で S/MIME の署名と暗号化を必須にするようにルールを設定します。

 


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