Voice 用にネットワークを最適化する

Voice での通話用にネットワークを設定するおすすめの方法は次のとおりです。

クラウド向けネットワークの構築

クラウド向けのネットワーク インフラストラクチャを構築すると、Voice のトラフィックが Google のインフラストラクチャと効率的に通信できます。構築の際は、次の点に注意してください。

  • Voice のトラフィックが短い経路でインターネットに到達するようにします。以下は使用しないでください。
    • プロキシ
    • パケット インスペクションまたはプロトコル分析ツール
  • 次の項目を調べて最適化します。

プロキシに関するヒント

ネットワークで Voice のトラフィックにプロキシ サーバーを使用しないことを強くおすすめします。

  • Voice のトラフィックをプロキシ設定のホワイトリストに登録します。
  • Meet とは異なり、Voice は TCP にフォールバックしません。Voice では音声トラフィックに UDP のみが使用されます。
  • トラフィックにプロキシを使用するとレイテンシが発生し、Voice の音声の品質が自動的に低下する可能性があります。Voice は、クライアントと Google バックエンドの間のレイテンシが 100 ミリ秒未満のときに最適なパフォーマンスを発揮します。
  • ソケット セキュア(SOCKS5)インターネット プロトコルはサポートされていません。

パケット インスペクション / プロトコル分析ツール

Voice に対しては、できる限りパケット インスペクションやプロトコル分析ツールを使用しないでください。使用すると、レイテンシが発生して Voice のインフラストラクチャが音声の品質を自動的に低下させる可能性があります。

自動スキャンツールは音声ストリームのデータを再構成できないため、音声トラフィックのパケット インスペクションもほとんど効果はありません。

これらのツールを使用する場合は、Voice のトラフィックで使用するポート番号をすべてホワイトリストに登録してバイパスします。

Wi-Fi に関するヒント

以下の推奨事項は一般的なオフィス環境を対象としています。製造フロア、無線周波数(RF)ノイズが高いエリア、半屋外のスペースなど、複雑な環境については、ワイヤレス ネットワークのエンジニアが状況に応じて判断する必要があります。

リアルタイム アプリケーションを利用するすべてのデバイスで基本の RF スペクトラムと帯域幅が共有されるため、ワイヤレス ネットワークでリアルタイム アプリケーションを実行するのは難しい場合があります。

Voice で使用するワイヤレス ネットワークの設計、導入、運用の際は、次の点をよく検討してください。

2.4 GHz と 5 GHz の無線周波数帯

2.4 GHz 帯のワイヤレス ネットワークは一般的に負荷が高く、リアルタイム アプリケーションを導入、運用することは通常おすすめしません。一般的なオフィス環境で接続を提供する場合も同様です。

2.4 GHz 帯には、重複しないチャンネルが 3 つしかない、付近のネットワークの干渉によるノイズが発生しやすい、他の機器(電子レンジなど)からの干渉を受けるといった理由により、ノイズの多い複雑な RF 環境になるという問題があります。

Voice のようなリアルタイム アプリケーションの運用で信頼性を確保するには、容量、遅延、ジッター、パケットロスのレベルがすべて適切である必要があります。2.4 GHz 帯でこのような条件を満たすことは困難です。

設計と導入に関する考慮事項

リアルタイム アプリケーションに対応するワイヤレス ネットワークを設計する際は、対応エリアではなく容量に注目してください。

  • セルのサイズを管理します。セルのサイズはアクセス ポイント(AP)の送信能力に応じて調整します。会議室や会議場など、多数の端末の使用が予測される場所では小規模なセルを導入して容量を増やします。大規模なセルは、普段オフィスフロア全体に対応する場合などに適しています。
  • RF を効率的に使用するには、周波数が低めの RF を無効にします。これにより、AP 間でローミングするクライアントは最も近い AP に強制的にハンドオーバーされます。

2.4 GHz 帯と 5 GHz 帯の両方でワイヤレス ネットワークの SSID を使用できる場合は、5 GHz 帯の利用をクライアントに強制する積極的な帯域利用管理が行われます。

  • 現実的には、同じ AP に接続される固定電話は 10 台以下と想定されています。これより多いと予期しないユーザー エクスペリエンスが発生する可能性があります。
  • エージェントやサポートチームといった人数や通話数が多いチームでは、ワイヤレス接続した固定電話を使用しないでください。たとえば、GOVO サイトや 365 日 24 時間対応のコールセンターなどが該当します。
  • ワイヤレス接続された固定電話のネットワーク レベルでは、10 秒未満の短い音声ブラックアウトが予想されており、排除は不可能です。したがって、重要な通話(会議、記者会見、幹部の通話など)に無線ネットワークを使用することはおすすめしません。
  • 規制は国や地域によって異なりますが、一般的な要件には、DFS チャンネルを使用する Wi-Fi デバイスが現地の気象レーダー システムに干渉しないようにすることなどがあります。そのため、レーダー干渉の対象となる AP はそのチャンネルの使用を中止します。すべてのクライアントは、異なるチャンネルで動作している別の AP に再接続する必要があります。

AP 間のシームレスなローミングや適切な RF 管理などの高度な機能を利用するには、ワイヤレス ネットワークをサイロ化されたスタンドアロン AP の集合としてではなく、一元的に管理、運用してください。

最後に、ワイヤレス ネットワークの導入後に調査を行い、Voice が通常利用される領域全体でワイヤレス ネットワークが利用可能なことを確認します。

Voice の IP アドレス範囲を許可リストに登録する

Voice のトラフィックはセキュリティで保護され、かつ暗号化されるため、Google で使われているIP アドレスへのトラフィックを制限する必要はありません。

ただし、ネットワークの制約によりトラフィックの制限が必要な場合は、次の IP 範囲を使って Voice のメディア サーバーを許可リストに登録します。この IP が Google Workspace 版 Google Voice 専用になるため、Google Workspace で使用されている音声トラフィックを識別し、一般ユーザー向けアカウントからの音声トラフィックの優先度を下げることができます。これにより、ネットワークやファイアウォールへのアクセスをより適切に設定し、最適化できるようになります。

  • IPv4: 74.125.39.0/24
  • IPv6: 2001:4860:4864:2::0/64

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