Google アナリティクスでは、e コマース イベントの定量的なデータを提供する 2 種類の e コマース指標が用意されています。
- イベント スコープの指標は、e コマース イベントがトリガーされた回数をカウントします。
- アイテム スコープの指標は、ユーザーが e コマース イベントでアイテムを操作した回数をカウントします。
たとえば、あるユーザーが Stan and Friends の T シャツを 3 枚、Google Grey Women's の T シャツを 2 枚、ショッピング カートに追加した場合、e コマース指標の値は次のようになります。
- イベント スコープの指標「カートに追加」は 1 になります
- Stan and Friends の T シャツのアイテム スコープの指標「カートに追加されたアイテム数」は 3 になります
- Google Grey Women's の T シャツのアイテム スコープの指標「カートに追加されたアイテム数」は 2 になります
指標の違い
次の表に、各 e コマース指標のイベント スコープとアイテム スコープの値の違いを示します。
イベント スコープの指標 | 概要 | アイテム スコープの指標 | 概要 | 例 |
---|---|---|---|---|
カートに追加 |
ユーザーが add_to_cart イベントをトリガーした回数。 |
カートに追加されたアイテム数 |
add_to_cart イベントのアイテム数。 |
ユーザーが [カートに追加] ボタンを使用して Stan and Friends の T シャツを 3 枚追加し、その後同じボタンを使用して Google Grey Women's の T シャツを 4 枚追加した場合:
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決済回数 |
ユーザーが begin_checkout イベントをトリガーした回数。 |
決済されたアイテム数 |
begin_checkout イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツ 3 枚と Google Grey Women's の T シャツ 2 枚の購入手続きを開始した場合:
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アイテムリストのクリック イベント数 |
ユーザーが select_item イベントをトリガーした回数。 |
リストでクリックされたアイテム数 |
select_item イベントのアイテム数。 |
ユーザーがリスト内の Stan and Friends の T シャツを 1 枚クリックした場合:
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アイテムリストのビューイベント数 |
ユーザーが view_item_list イベントをトリガーした回数。 |
リストで閲覧されたアイテム数 |
view_item_list イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツ 3 枚と Google Grey Women's の T シャツ 2 枚を含むリストを閲覧した場合:
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アイテムのビューイベント数 |
ユーザーが view_item イベントをトリガーした回数。 |
閲覧されたアイテム数 |
view_item イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の 1 枚の T シャツを閲覧した場合:
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プロモーションのクリック数 |
ユーザーが select_promotion イベントをトリガーした回数。 |
プロモーションでクリックされたアイテム数 |
select_promotion イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツのプロモーションをクリックした場合:
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プロモーションのビュー数 |
ユーザーが view_promotion イベントをトリガーした回数。 |
プロモーションで閲覧されたアイテム数 |
view_promotion イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツのプロモーションを閲覧した場合:
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購入 |
ユーザーが purchase イベントをトリガーした回数。 |
購入されたアイテム数 |
purchase イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツを 3 枚、Google Grey Women's の T シャツを 2 枚購入した場合:
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数量 |
イベント単位の quantity パラメータの数。 |
アイテムの数量 |
e コマース イベントに含まれる 1 つのアイテムのユニット数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツを 3 枚、Google Grey Women's の T シャツを 2 枚購入した場合:
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払い戻し |
ユーザーが refund イベントをトリガーした回数。 |
アイテムの払い戻し額 |
refund イベントのアイテム数。 |
ユーザーが Stan and Friends の T シャツ 3 枚、Google Grey Women's の T シャツ 2 枚の払い戻しを行った場合:
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レポートを使用して e コマース指標を確認する
e コマース購入レポートには、アイテム スコープのディメンションと指標が含まれており、各アイテムの成果を確認できます。
デフォルトでは、e コマース購入レポートには「アイテム名」ディメンションと「閲覧されたアイテム数」、「カートに追加されたアイテム数」などの指標が表示されます。これらのデータにより、各アイテムが閲覧された回数やカートに追加された回数を確認できます。
データ探索ツールを使用して e コマース指標を確認する
e コマース アクティビティをさらに詳しく分析したい場合は、データ探索を作成できます。データ探索には、アイテム スコープのディメンションと指標、またはイベント スコープのディメンションと指標を含めることができます。
たとえば、アイテム スコープのディメンションと指標を使用する次のデータ探索では、5,697 個のアイテム(うち 291 個は Google Ombre Lime Pen のアイテム)が販売されたことを確認できます。「総購入者数」の指標を追加すると、これらのアイテムを購入したのは 616 人のユーザーのみであり、Google Ombre Lime Pen のアイテムを購入したのはわずか 27 人のユーザーであることがわかります。
同じ期間に purchase イベントがトリガーされた回数を確認するには、イベント スコープの「購入」指標を使用します。「購入」指標を適用すると、ユーザーがウェブサイトまたはアプリで購入を完了した回数を把握できます。
「購入」指標(およびその他のイベント スコープの指標)は、「アイテム名」などのアイテム スコープのディメンションと完全には互換性がありません。そのため、「アイテムの購入数」や「総購入者数」の場合のように、データの内訳を確認することはできません。
しかし、フィルタを適用すると、Google Ombre Lime Pen が 27 回購入されたことがわかります。アイテム スコープのディメンションのフィルタを、イベント スコープの指標を含むデータ探索に適用する場合、フィルタのマッチタイプは「完全一致」にする必要があります。
注: レポートとデータ探索では、イベント スコープとアイテム スコープそれぞれのディメンションおよび指標には互換性がありません。アイテム スコープのディメンションを使用する場合は、類似した指標であっても、イベント スコープの指標ではなく、アイテム スコープの指標を選択する必要があります。これは、イベント スコープのディメンションと指標についても同様です。たとえば、「アイテムのブランド」ディメンションで「カートに追加」指標を選択することはできませんが、「アイテムのブランド」で「カートに追加されたアイテム数」のデータを確認することはできます。