ユーザー獲得レポートとトラフィック獲得レポートは、Google アナリティクス 4 で利用可能なデフォルトの行動レポートです。ユーザーの行動とエンゲージメントを、ユーザーのアクセス元に関連付けて比較できます。たとえば、自社のサイトにニュースレターからアクセスしたユーザーと、広告キャンペーンからアクセスしたユーザーのエンゲージメントの比較が可能です。
これら 2 つの行動レポートでは、スコープが異なります。ユーザー獲得レポートのスコープは新規ユーザーであるのに対し、トラフィック獲得レポートでは新規セッションです。たとえば、新規ユーザーがオーガニック検索でウェブサイトにアクセスした場合でも、特定のリマーケティング キャンペーンを通じて同じユーザーに再度アプローチできます。
次の表は、2 つのレポートの主な違いをまとめたものです。
カテゴリ | ユーザー獲得 | トラフィック獲得 |
スコープ | ユーザー | セッション |
対象 | 新規ユーザー | 新規セッション |
目的 |
新規ユーザーがウェブサイトまたはアプリを見つけてアクセスした方法を把握する |
セッションをまたいでユーザーに再アプローチする方法を把握する |
ディメンション |
ユーザー スコープかつクロスチャネルのトラフィック ソースのディメンション(ユーザーの最初の参照元、ユーザーの最初のメディア、ユーザーの最初のキャンペーンなど)を含む |
セッション スコープかつクロスチャネルのトラフィック ソースのディメンション(セッションの参照元、セッションのメディア、セッションのキャンペーンなど)を含む |
レポート間で指標を比較する
ユーザー獲得レポートとトラフィック獲得レポートには、多くの同じエンゲージメント指標がデフォルトで含まれています。これには、エンゲージメント セッション、エンゲージメント率、エンゲージメント セッション数(1 アクティブ ユーザーあたり)、総収益などがあります。
ただし、左端の列に表示されるディメンションはスコープが異なるため、同じ指標に対してレポート間で異なる値が表示されることが考えられます。したがって、レポート間で指標の値を比較することはできません。
例 1
ユーザーがあるウェブサイトに Google から初めてアクセスし、その後 URL を直接入力して同じウェブサイトを 10 回開いた場合、2 つのレポートは次のようになります。
- ユーザー獲得レポートでは、11 回のセッションがすべて「Google」行にカウントされます。
- トラフィック獲得レポートでは、最初の 1 回のセッションが「Google」行、残りの 10 回のセッションが「(ノーリファラー)」行に表示されます。
この違いにより、ユーザー獲得レポートでは新規ユーザー獲得のための取り組みを分析できるのに対し、トラフィック獲得レポートでは、セッションをまたいでそれらのユーザーに再アプローチする取り組みについて分析できます。
例 2
左側の列に「google」が表示されている場合、「エンゲージメント率」の指標の値が異なっているのがわかります。
- ユーザー獲得レポートには、ウェブサイトで発生したすべてのセッションにおいて、Google から初めてアクセスしたユーザーのエンゲージメント率が表示されます。
- トラフィック獲得レポートには、同じユーザーが別のチャネルから開始したセッションのエンゲージメントに関係なく、ウェブサイトで Google から開始されたセッションのエンゲージメント率のみが表示されます。
次の画像は、実際に 2 つのレポートを並べて比較したものです。
この比較では、どちらのレポートも値は「google」ですが、左上のディメンションが異なっています。ユーザー獲得レポートには、「ユーザーの最初の参照元」ディメンション(接頭辞「ユーザーの最初の」が付くユーザー スコープのディメンション)が表示されています。一方トラフィック獲得レポートには、「セッションの参照元」ディメンション(接頭辞「セッションの」が付くセッション スコープのディメンション)が表示されています。