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非営利団体のための責任ある AI

はじめに

非営利団体は、業務を効率化する方法や、影響力を強める方法を常に模索しています。人工知能(AI)、特に生成 AI は、多くの場合こうした目標の達成に役立ち、コストを低く、ときにはゼロに抑えることもできるため、貴重なツールとなります。ただし、AI を導入する際は、AI の責任ある利用方法に配慮することが重要です。このヘルプセンター記事では、責任を持って非営利団体の一連の業務に AI を統合するための指針を提供します。

生成 AI とは

日常使用を目的とした AI ツールのほとんどには、生成 AI が組み込まれています。生成 AI とは AI の一種で、大量のデータからパターンを特定し、そのパターンを使用してテキストや画像などの形式の新しいコンテンツを作成します。

非営利団体の業務に生成 AI を利用することで、時間の削減だけでなく、活動効果の向上も可能になります。こうしたツールによりデジタル コラボレーションが進むことで、スタッフが複雑なタスクに効率的に取り組んだり、データに基づいた意思決定を行ったり、創造性を一層高めたりできます。研究に基づく分析情報を使用して説得力のある資金援助の提案書を作成する、寄付者の深い共感を呼ぶパーソナライズされたアウトリーチ キャンペーンを実施する、プログラム データを分析して改善点を特定する、といった場面を想像してください。こうしたタスクを AI が手伝ってくれます。

責任ある AI の運用と戦略

生成 AI は非営利団体の効率性と影響を高める大きな可能性を秘めていますが、生成 AI ツールを使用する際には、責任ある運用を確立することが重要です。公平性、正確性、プライバシーの保護、全体として倫理的なアプローチといった点を重視した運用は、非営利団体が責任を持って生成 AI を活用するうえで役立ちます。

バイアスを軽減する

データを活用するすべてのシステムに言えることですが、AI ツールの出力に影響する可能性のあるバイアスに注意することが重要です。バイアスは、AI の開発に使用されたトレーニング データや、ユーザーが提供するプロンプトや情報から生じる可能性があります。組織において責任を持って生成 AI を活用し、出力が公平かつ代表的な考えを反映したものとするためには、次の戦略が役立ちます。

  • プロンプトを慎重にチェックします。生成 AI の出力には、アクセスする情報内のバイアスが反映される可能性があります。プロンプトで提供するデータの種類と、それが結果に与える影響に配慮しましょう。また、AI がよりバランスの取れた回答を生成できるように、プロンプトで十分なコンテキストを提供しましょう。
  • 見直して改善します。すべての AI 出力を慎重に見直して、潜在的なバイアスが含まれていないか確認しましょう。ステレオタイプや偏った意見がないか注意します。より公平で正確な出力結果を得るために、積極的にプロンプトを改善したり、別のツールを試したりしましょう。
  • 出力の多様性を追求します。多くの AI ツールは、ユーザー プロンプトに基づいて複数のバージョンの回答を提供します。可能なら複数のバージョンを比較して、より幅広い視点を反映した出力を選びましょう。

正確性を確保する

生成 AI は「ハルシネーション」を起こすことがあります。つまり、もっともらしく、正しいように見えるが、実際には不正確な出力を生成することがあります。ハルシネーションが起きる原因は、AI ツールで使用されるデータが不完全であるなど、さまざまな理由が考えられます。組織の業務に生成 AI を使用する際に正確性を向上させるには、次の戦略が有効です。
 
  • 明確で具体的なプロンプトを使用します。生成 AI ツールのプロンプトを作成する場合は、自然言語で明確かつ簡潔に記述し、リクエストの十分なコンテキストを提供しましょう。不正確な結果になりやすいため、あいまいなプロンプトや自由回答型のプロンプトは避けます。
  • 出力のファクト チェックを行います。AI によって生成された情報の正確性を確認します。自分で調べた信頼できる情報源で情報を確認しましょう。
  • 制約に留意します。生成 AI は現在も開発中であり、できることに制約があることを理解しておかなければなりません。高い正確性が求められるタスクの場合は、タスクの完成を裏付けるものとして AI 以外のリソースを使うことも検討しましょう。

プライバシーを尊重する

生成 AI を使用する目的が基本的なタスクの支援であっても新しいコンテンツの作成であっても、AI の使用によって非営利団体の職員や活動の対象者のプライバシーとセキュリティに生じうる影響に配慮しましょう。組織において AI を使用する際のプライバシーとセキュリティに関する懸念を軽減するには、次の戦略が役立ちます。

  • プライバシー ポリシーを確認します。AI ツールに関するドキュメントをよく読み、デベロッパーが定めたプライバシー保護対策(利用規約など)を確認します。プライバシーに関する規制や、AI の使用に関するベスト プラクティスについての最新情報を常にチェックしましょう。
  • データ入力を制限します。AI ツールを操作する際は、機密情報、非公開情報、個人情報、組織や受益者に関する機密データを入力しないようにしましょう。

AI を使用していることを開示する

生成 AI を使用していることを開示すると、非営利団体への信頼と、組織内における倫理的慣行を促進できます。業務で生成 AI を使用する際の透明性を確保するためには、次の戦略が役立ちます。

  • 生成 AI の使用を公表します。非営利団体が AI を使用している場合は、その旨を明確にしましょう。AI ツールを使用していることとその理由をユーザーに開示します。
  • 詳細な情報を提供します。使用したツールの種類とその使用目的を説明します。非営利団体の活動に関係する人が潜在的なリスクを評価するのに役立つ情報が他にもあれば、提供しましょう。
  • 盗用を避けます。非営利団体の業務に AI 出力を使用する際は、出力を直接コピーして貼り付けるのではなく、出力の確認と修正など、人間が関与するプロセスを必ず組み込みます。

責任ある AI の使用に関するリソース

あらゆる組織が、業務に生成 AI を活用する方法を模索しています。責任ある AI の使用に関するガイドラインは、AI に関するポリシーとベスト プラクティスを組織が決定する際に役立ちます。さまざまな組織が提供する次のリソースには、責任ある AI の使用方法を理解するうえで検討すべきその他の指針が示されています。

 




 

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