Google 管理コンソールで管理されている Google Workspace、Essentials、Cloud Identity、その他のサービスが対象となります。
組織の構造や使用している Google サービスによっては、最上位組織でのライセンスの自動割り当て設定を個々の組織部門で継承しない(オーバーライドする)ようにできる可能性があります。たとえば、最上位組織に対して Business Standard のライセンスの自動割り当てをオンにしている場合に、下位組織ではこの設定を無視してオフにすることができます。親組織部門と子組織部門とで異なる設定を適用することも可能です。
ライセンスの自動割り当てを設定できる条件
組織部門単位でライセンスの自動割り当てを設定するには、以下の条件が両方とも満たされている必要があります。
- 最上位の組織部門の下に少なくとも 1 つの組織部門があること
- 複数の Google サービスのサブスクリプションがあること
次に例を示します。
- 有料サービスと無料サービスのサブスクリプションがある場合(Business Standard と無料の Cloud Identity など)- 有料サービスに対してのみ組織部門単位でライセンスの自動割り当てを設定できます。
- メインの Google サービス 1 つと追加サービスを 1 つ以上使用している場合(Business Standard と Google ドライブ アドオンを使用している場合など)- いずれか 1 つの追加サービスに対して組織部門単位でライセンスの自動割り当てを設定することはできますが、メインのサブスクリプションに対しては設定できません。
- 下位組織部門がなく、複数の有料サブスクリプションがある場合 - 1 つの有料サブスクリプションに対してライセンスの自動割り当てがオンになっており、この設定を変更することはできません。
設定の継承とオーバーライド
すべての下位組織部門は、親組織のライセンスの自動割り当て設定を継承します。Google 管理コンソールでの「継承」とは、親組織と同じ設定(オンまたはオフ)が適用されることを意味します。
ただし、親組織の設定をオーバーライドし、個別にライセンスの自動割り当てを設定することも可能です。
ライセンスの自動割り当てに関する継承のシナリオ親組織のライセンスの自動割り当て設定 | 子組織の設定 | 結果 |
---|---|---|
オン | 継承 |
子組織のライセンスの自動割り当てがオンに設定されます。 後から親組織のライセンスの自動割り当てをオフにすると、子組織のライセンスの自動割り当てもオフになります。 |
オフ | 継承 |
子組織のライセンスの自動割り当てがオフに設定されます。 後から親組織のライセンスの自動割り当てをオンにすると、子組織のライセンスの自動割り当てもオンになります。 |
親組織のライセンスの自動割り当て設定 | 子組織の設定 | 結果 |
---|---|---|
オン | オーバーライド > オン |
親組織の設定とは別に、子組織のライセンスの自動割り当てがオンに設定されます。 後から親組織のライセンスの自動割り当てをオフにしても、子組織のライセンスの自動割り当てはオンのままです。 |
オン | オーバーライド > オフ |
親組織の設定とは別に、子組織のライセンスの自動割り当てがオフに設定されます。 後から親組織のライセンスの自動割り当てをオフにしても、子組織のライセンスの自動割り当てはオフのままです。 |
オフ | オーバーライド > オン |
親組織の設定とは別に、子組織のライセンスの自動割り当てがオンに設定されます。 後から親組織のライセンスの自動割り当てをオンにしても、子組織のライセンスの自動割り当てはオンのままです。 |
オフ | オーバーライド > オフ |
親組織の設定とは別に、子組織のライセンスの自動割り当てがオフに設定されます。 後から親組織のライセンスの自動割り当てをオンにしても、子組織のライセンスの自動割り当てはオフのままです。 |
ライセンスの自動割り当てが既存のユーザーに与える影響
すでに組織部門内に存在するユーザー組織全体、またはすでにライセンスを持つユーザーがいる組織部門でライセンスの自動割り当てをオンにした場合、ユーザー ライセンスへの影響は組織の階層により異なります。
ライセンスの自動割り当てをオンにする組織階層 | 影響 |
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組織全体 |
既存のユーザー ライセンスは、組織でも、どの組織部門でも変更されません。これは、ユーザーに割り当てられているライセンスが、自動割り当てと同じライセンスであっても、同じサービスの別のサブスクリプションのライセンスであっても当てはまります。 例: 組織内のユーザーが Google Business Plus のライセンスを持っている場合、Enterprise Standard の自動ライセンス割り当てを有効にしても、ユーザーの Business Plus のライセンスは保持されます。 |
組織部門 |
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ライセンスを持つユーザーを別の組織部門に移動した場合、ユーザーへの影響は組織の階層によって異なります。以下のルールは、個々のユーザーを別の組織部門に移動した場合にも、組織全体を別の組織部門に移動した場合にも適用されます。
ユーザーの移動先 | 影響 |
---|---|
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ユーザーの既存のライセンスはすべて保持されます。 これは、ユーザーに割り当てられているライセンスが、自動割り当てと同じライセンスであっても、同じサービスの別のサブスクリプションのライセンスであっても当てはまります。 例: 組織部門内のユーザーが Business Plus のライセンスを持っていて、それらのユーザーを Enterprise Standard の自動ライセンス割り当てが有効になっている最上位の組織部門に移動した場合、それらのユーザーは Business Plus ライセンスを保持します。 |
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年間 / 定期プランで Google Workspace または Cloud Identity Premium エディションをご利用の場合にのみ該当します。
組織部門内でライセンスを割り当てられたユーザーの数が購入済みライセンスの数より多い場合、一部のユーザーには一時的なライセンスが割り当てられます。この状況は、次の場合に発生する可能性があります。
- 組織部門に対してライセンスの自動割り当てをオンにした。
- 組織部門に新しいユーザーを移動または追加した。
組織部門で複数のサブスクリプションについてライセンスの自動割り当てがオンになっている場合、一部のサブスクリプションで利用できるライセンスがあっても、影響を受けるユーザーはどのサブスクリプションのライセンスも付与されません。
正しいユーザーにライセンスが付与されるようにするため、次のことができます。
- ライセンス数を増やす。詳しくは、ユーザー ライセンスを追加購入するをご確認ください。
- ライセンスを必要としないユーザーをすべて削除する。組織からユーザーを削除するをご確認ください。
- ライセンスの自動割り当てがオンになっていない組織部門のユーザーからライセンスを削除する。詳しくは、ライセンスの割り当て、削除を行うに記載された、ライセンスを削除するためのいずれかの手順を行ってください。
- ライセンスの自動割り当てがオンになっていない組織部門にユーザーを移動し、そのユーザーのライセンスを削除する。詳しくは、組織部門へのユーザーの移動をご確認ください。続いて、ライセンスの割り当て、削除を行うに記載された、ライセンスを削除するためのいずれかの手順を行ってください。
- 利用できるライセンスがないサブスクリプションについてライセンスの自動割り当てをオフにする。組織内のすべてのユーザーに自動的にライセンスを割り当てるに記載された手順に沿って、オプションを [オン] から [オフ] に切り替えます。
組織のどの階層に対してライセンスの自動割り当てをオフにしたかにかかわらず、その設定を行う前に割り当てられたライセンスはすべて保持されます。
最上位組織でライセンスの自動割り当てをオフにした場合、ユーザーに割り当てたライセンスが有効になるまでには、最長で 24 時間ほどかかることがあります。