この記事では、Google Workspace Sync for Microsoft Outlook(GWSMO) の利用時に発生する可能性がある同期の問題について、トラブルシューティング方法をご紹介します。
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Log Analyzer を試す
このツールを使うと、ほとんどの問題を送信から数分以内に特定できます。
- Google 管理者ツールボックスの Log Analyzer に、トレースログ(非圧縮ファイルまたは ZIP ファイル)を送信します。
- 高度なログ分析を行うには、非圧縮ファイルを Log Analyzer 2 に送信します。
同期全般の問題
Microsoft Windows タスクバーの GWSMO アイコンがオフライン表示になっているネットワーク接続が切断されているか、Outlook がオフライン モードに切り替わっています(パスワードの再設定後など)。
GWSMO でメールボックスのサイズを無制限に設定した場合、ローカルの PST ファイルがサイズの上限に達すると、エラーが発生したり、GWSMO が Google Workspace と同期しなくなったりすることがあります。Outlook では、ローカルの PST ファイルのサイズがデフォルトで 20 GB(Outlook 2007)または 50 GB(Outlook 2010、2013、2016、2019)に制限されています。この問題を解決するには、GWSMO のメールボックスのサイズに上限を設定する必要があります。詳しくは、ローカル メールボックスのサイズの設定をご覧ください。
または、Outlook で PST ファイルの上限サイズを引き上げてください(方法については、Microsoft のドキュメントをご覧ください)。
Outlook でフォルダをドラッグして再編成すると、GWSMO で同期に関する問題が発生することがあります。この場合はプロファイルを作成すると、データが正しく同期されるようになります。
特定のバージョンの Microsoft Windows で動作している Outlook に対して GWSMO を使用すると、Windows Search の結果が返されません。この問題の影響を受けている場合は、使用しているバージョンに対して Microsoft Office の最新のアップデートを適用してください。詳しくは、2017 年 6 月セキュリティ更新プログラムの Outlook の既知の問題(問題 5)をご覧ください。
メールの同期に関する問題
Outlook のローカルの PST ファイルが GWSMO のメールボックスのサイズよりも大きいOutlook の設定によっては、PST ファイルのサイズが上限を超えることがあります。Outlook で PST ファイルの上限サイズを設定する方法については、Microsoft のこちらの記事をご覧ください。
また、Outlook を使用してローカルの PST ファイルのサイズを小さくすることもできます。メールボックスと Outlook データファイルのサイズを小さくする方法については、Microsoft のこちらの記事をご覧ください。
Gmail で複数のラベルが付いているメールは、Outlook の対応する各フォルダに表示されます。そのため、Outlook に同じメールのコピーが複数あるような状態になり、結果としてローカル メールボックス(PST ファイル)のサイズが大きくなる場合があります。
実際に存在するメールは 1 つのみなので、いずれかのフォルダから削除すると他のフォルダからも削除されます。
詳しくは、Outlook でのメールの管理をご覧ください。
GWSMO では、実行可能ファイル(.exe)(圧縮されたものを含む)などの一部の形式の添付ファイルを送信できません。該当する添付ファイルは Outlook または Gmail には表示されません。.eml や .msg 形式の添付ファイルを Outlook ユーザーに送信する場合にも制限があります。詳しくは、MSG または EML ファイルを表示できないをご覧ください。
送信できないファイル形式
.ade、.adp、.bat、.chm、.cmd、.com、.cpl、.dll、.exe、
.hta、.ins、.isp、.jse、.lib、.mde、.msc、.msg、.msp、
.mst、.pif、.scr、.sct、.shb、.sys、.vb、.vbe、
.vbs、.vxd、.wsc、.wsf、.wsh
ローカルのメールボックス サイズ(Outlook PST ファイル)のサイズが十分ではないために、すべてのメールを保存できていない可能性があります。GWSMO ではデフォルトで 1 GB までの最新のメールがローカルに保存され、すべてのメール(最大 25 GB)が Gmail のインターフェースからアクセス可能なクラウドに保存されます。
より多くのメールをローカルに保存したい場合は、次の方法で Outlook のメインのメールボックス アカウントのサイズを変更できます。
注: Outlook のメールボックス サイズを大きくすることもできますが、同期のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるため、通常はおすすめしていません。
これは、対応する Gmail のラベルが移動先フォルダに存在しないことが原因です。この問題を解決するには、次のいずれかの方法をお試しください。
- メールの移動先フォルダに対応するラベルを Gmail で作成する。
- Outlook のフォルダを削除してもう一度作成する。
注: メールを [下書き] フォルダに直接移動することはできません。この場合はメールを下書きとして保存してください。
GWSMO でメールボックスのサイズを無制限に設定した場合、ローカルの PST ファイルがサイズの上限に達すると、エラーが発生したり、GWSMO が Google Workspace と同期しなくなったりすることがあります。Outlook では、ローカルの PST ファイルのサイズがデフォルトで 20 GB(Outlook 2007)または 50 GB(Outlook 2010、2013、2016、2019)に制限されています。この問題を解決するには、GWSMO のメールボックスのサイズに上限を設定する必要があります。詳しくは、ローカル メールボックスのサイズの設定をご覧ください。
または、Outlook で PST ファイルの上限サイズを引き上げてください(方法については、Microsoft のドキュメントをご覧ください)。
接続速度が遅い環境で大容量のファイルを添付したメールを送信すると、接続がタイムアウトして、メールが送信トレイに未送信のまま残ることがあります。デフォルトでは、90 秒でタイムアウトになるようにハードコード化されています。
タイムアウトまでの時間は、Windows レジストリを変更することで延長できます。次のキーを追加して、デフォルトのタイムアウト値をオーバーライドしてください。
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Google\Google Apps Sync\Other\ResolveTimeoutSeconds > DWORD 値 = 00000030
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Google\Google Apps Sync\Other\ConnectTimeoutSeconds > DWORD 値 = 00000030
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Google\Google Apps Sync\Other\SendTimeoutSeconds > DWORD 値 = 00000600
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Google\Google Apps Sync\Other\ReceiveTimeoutSeconds > DWORD 値 = 00000600
注: 32 ビット版の Outlook を 64 ビット版の Windows で実行している場合は、このレジストリキーを 32 ビットのアプリケーション用の適切な場所に追加する必要があります。詳しくは、32 ビット版の Outlook を 64 ビット版の Windows で実行している場合をご覧ください。
レジストリ エディタを開く
- [スタート] メニューで、[Windows システム ツール] [ファイル名を指定して実行] をクリックします。
注: または、Windows+R キーを押します。
- [ファイル名を指定して実行] ボックスで「regedit」と入力します。
- [OK] をクリックします。
注: 32 ビット版の Outlook を 64 ビット版の Windows で使用している場合は、[ファイル名を指定して実行] ダイアログで「%systemroot%\syswow64\regedit」と入力します。
Windows レジストリにキーを追加する
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Google\Google Apps Sync\ に移動します。
- [編集] [新規] [キー] をクリックして、新しいフォルダを作成します。
- キーの名前に「Other」と入力し、Enter キーを押します。
- 作成した [Other] フォルダを選択します。
- [編集] [新規] [DWORD(32 ビット)値] をクリックします。
- 新しい値として「ResolveTimeoutSeconds」と入力し、Enter キーを押します。
- 作成した [ResolveTimeoutSeconds] の値を右クリックして [修正] を選択します。
- [DWORD(32 ビット)値の編集] ボックスの [値のデータ] にタイムアウト値を入力します。
- この手順を繰り返して、他のタイムアウト値(ConnectTimeoutSeconds、SendTimeoutSeconds、ReceiveTimeoutSeconds)の DWORD(32 ビット)値を作成します。
GWSMO では、メールの下書きは Gmail や Outlook を使用している他のパソコンと同期されません。そのため、下書きの作成を開始したメール クライアントでメールを完成する必要があります。
Outlook のデフォルトの設定では、送信したメールは [送信済みアイテム] フォルダに表示されます。この設定を変更している場合は、次の手順でデフォルトの設定に戻してください。送信済みメールの保存場所を変更する方法については、Microsoft のこちらの記事をご覧ください。
メールの移動後に、Gmail で [送信済みメール] ラベルが付いたメールが再び表示されると、Outlook の [送信済みアイテム] フォルダとの同期が試行されます。
この問題は自動的に解決しますが、正しく同期されるまでに 24 時間ほどかかる場合があります。
Outlook でメールにメール メッセージ(.eml または .msg ファイル)を添付しても、Microsoft Exchange を使用している受信者は添付ファイルを読めません。この問題を回避するには、メールを添付ファイルとして転送するのではなく、Outlook を使用してメール自体を転送することをおすすめします。詳しくは、EML または MSG ファイルを表示できないをご覧ください。
この問題は、GWSMO アカウントと Exchange サーバー アカウントを同じ Outlook プロファイルで設定した場合に発生することがあります。
このエラーが表示された場合は、GWSMO アカウントと Exchange Server アカウント用に別々の Outlook プロファイルを作成します。
この問題は、Gmail でラベル(サブラベルを持つラベル)の名前を変更した場合に発生することがあります。同期後に、変更前のラベルと変更後のラベルの両方が Outlook に表示される場合があります。
このメッセージは、次の場合に表示されます。
- 4.0.17.0 以前のバージョンの GWSMO を使用して GWSMO プロファイルが作成された。
- セカンダリ IMAP アカウント(GWSMO Outlook プロファイルに追加された IMAP アカウント)からメールを送信している。このようなメールは送信されません。
この問題は、Google Workspace のメールのラベル名と Outlook のフォルダ名が競合している場合に発生します。この問題を解決するには、プロファイルを再作成してください。詳しくは、プロファイルを再作成または変更するをご覧ください。
Outlook 2010 の GWSMO プロファイルに含まれるアカウント間でメールを移動した場合、GWSMO はそのメールを Gmail に同期しません。この問題を解決するには、メッセージを移動せずにコピーする必要があります。
マウスポインタにプラス記号が表示されるまで Ctrl キーを長押しします。次にアカウント間でメールをコピーし、元のメールを削除します。この方法は新しいバージョンの Outlook でも有効です。
カレンダーの同期に関する問題
招待状が適切に同期されないこの問題は、iCalendar 形式以外でカレンダーの招待状を受け取った場合に発生します。Gmail のインターフェースで、招待メールに winmail.dat ファイルが添付されているかどうかを確認してください。添付されている場合は、送信者に Outlook の設定の変更を依頼し、組織の外部に会議のリクエストを送信するときは iCalendar 形式を使用するように設定してもらう必要があります。iCalendar 形式を使用して会議のリクエストを送信する方法については、Microsoft のこちらの記事をご覧ください。
注: 送信者が GWSMO を使用している場合や、Exchange サーバーに接続している場合は、この設定が無効になっている可能性があります。
Google カレンダーから新しい予定に関する通知が届くと、どのカレンダーの予定であっても、Outlook ではプライマリの予定表に予定が追加されます。
これが頻繁に問題になる場合は、メインのカレンダー以外のすべてのカレンダーに関する新しい予定の通知を無効にすることをおすすめします。
Google カレンダーのインターフェースで、タイムゾーンの設定が正しいことを次の手順で確認します。
- 設定アイコン [設定] をクリックします。
- [全般] タブで現在のタイムゾーンを設定します。
- [カレンダー] タブで他のカレンダーを選択し、それぞれのタイムゾーンを設定します。
- 会議の招待元のユーザーにもこの手順を伝えます。
今後作成される新しい予定は、正しいタイムゾーンで表示されるようになります。作成済みの予定が正しく表示されるようにするには、プロファイルを再作成する必要があります。
Google カレンダーのインターフェースでタイムゾーンが正しく設定されていない可能性があります。設定を確認して修正する手順は次のとおりです。
- 設定アイコン [設定] をクリックして、タイムゾーンの設定を確認します。
- カレンダーのデータを削除して再同期すると、作成済みの終日の予定がすべて修正されます。
- Windows タスクバーの通知領域で GWSMO アイコン を右クリックし、[同期ステータスを表示] をクリックします。
- [同期ステータス] ダイアログで、Google カレンダーの横にある [再同期] をクリックします。
- カレンダーのデータのみを削除して再同期するには、[Google カレンダーを再同期] ダイアログで [削除して再同期] を選択し、
- [再同期] をクリックします。
これにより、予定に適用した色付きのカテゴリなど、Outlook 固有のデータがカレンダーから削除されます。[削除して再同期] オプションについて詳しくは、Outlook のデータを再同期、修復するをご覧ください。
Outlook 2010 をご利用の場合は、Outlook 2010 に対して必要な修正プログラムがすべて適用されていることを確認します。詳しくは、Microsoft のドキュメントをご覧ください。
Windows レジストリ設定に問題がある可能性があります。次のレジストリキーが以下のように正しく設定されていることを確認してください。キーが存在しない場合や、値が以下と一致しない場合は、キーを作成して値を編集します。
- レジストリキー: KEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\[ご利用の Outlook のバージョン]\Outlook\SchedulingInformation\FreeBusySupport
- 値の名前: SMTP
- 値の種類: REG_SZ(文字列値)
- 値のデータ: {0006F049-0000-0000-C000-000000000046}
レジストリ エディタを開く
- [スタート] メニューで、[Windows システム ツール] [ファイル名を指定して実行] をクリックします。
注: または、Windows+R キーを押します。
- [ファイル名を指定して実行] ボックスで「regedit」と入力します。
- [OK] をクリックします。
注: 32 ビット版の Outlook を 64 ビット版の Windows で使用している場合は、[ファイル名を指定して実行] ダイアログで「%systemroot%\syswow64\regedit」と入力します。
Windows レジストリでこのキーを変更する
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\<ご利用の Outlook のバージョン>\Outlook\SchedulingInformation\ に移動します。
<ご利用の Outlook のバージョン> には以下の値が入ります。
- 11.0(Outlook 2003 の場合)
- 12.0(Outlook 2007 の場合)
- 14.0(Outlook 2010 の場合)
- 15.0(Outlook 2013 の場合)
- 16.0(Outlook 2016 と Outlook 2019 の場合)
- [SchedulingInformation] フォルダ内に [FreeBusySupport] フォルダがない場合は、[編集] [新規] [キー] をクリックして、新しいキーフォルダを作成します。
- キーの名前に「FreeBusySupport」と入力し、Enter キーを押します。
- 作成した [FreeBusySupport] フォルダを選択します。
- [編集] [新規] [文字列値] をクリックします。
- 新しい値に「SMTP」と入力し、Enter キーを押します。
- 作成した [SMTP] の値を右クリックし、[修正] を選択します。
- [文字列の編集] ボックスの [値のデータ] に「{0006F049-0000-0000-C000-000000000046}」と入力します。
Outlook でフォルダを作成する際は、適切な Outlook アプリ(予定表、連絡先など)の下に作成してください。適切でない場所に作成したフォルダの内容は Google Workspace と同期されません。
また、Outlook のメモはすべて階層の最上位の [メモ] フォルダに作成してください。他の場所(サブフォルダなど)に作成したメモは、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドで同期されません。
Outlook のアドレス帳から Outlook の予定表にリソース カレンダーと会議室カレンダーを追加した場合、Outlook のカレンダー リソースには権限が割り当てられません。その後、Google カレンダーで予定を作成し、GWSMO を使用して同期した場合、その予定は Outlook の予定表に表示されません。
この問題を解決するには、Google カレンダーのウェブ UI のみを使用してリソースのカレンダーに予定を追加します。会議室などのリソースのカレンダーを追加するおすすめの方法については、Google カレンダーでカレンダー リソースを追加するをご覧ください。
連絡先の同期に関する問題
競合エラーが発生した場合の連絡先データの同期についてOutlook と Google Workspace の両方または別のモバイル デバイスから連絡先を更新すると、GWSMO は 2 つの連絡先情報を保持することになるため、競合する可能性があります。これによってデータが失われることなく、両方のバージョンの連絡先が保持されます。
保持する連絡先情報を選択するには:
- Outlook メールで [同期の失敗] [競合] フォルダを開き、競合している連絡先を確認します。このフォルダには他の問題が表示される場合もあります。
- Outlook で連絡先を開き、競合に関するメッセージを確認します。保持する連絡先情報を選択します。
連絡先を iOS Outlook アプリと同期すると、同期後に次の処理が行われます。
- デフォルトのラベルは大文字で表示されます(たとえば、Work は WORK になります)。
- ラベルに添付されたコンテンツには、「Outlook のマッピングがない Gmail プロパティ」というテキスト ファイルが表示されます。
問題を解決するには:
- 次のどちらかを選択します(どちらのオプションを選択しても iOS 版 Outlook アプリと Google との連携が解除されます)。
- iOS 版 Outlook アプリから Gmail アカウントを削除します。
- Microsoft のアプリとサービスに対するサードパーティのアクセスを削除する - 詳しくは、アカウントにアクセスできるサードパーティのアプリやサービスを管理するをご覧ください。
- Google アカウントのすべての連絡先を CSV ファイルとして書き出します。
詳しくは、連絡先のエクスポート、バックアップ、復元をご覧ください。
- CSV ファイルで、連絡先の形式が正しいことを確認してください。ラベルの書式が大文字のみになっていないことを確認します。
- Google アカウントのすべての連絡先を削除します。
- CSV ファイルを使用して、連絡先を Google に読み込み直します。
詳しくは、連絡先の追加、移動、読み込みをご覧ください。
同期に関するその他の問題の解決
- Windows または Outlook のバージョンがシステム要件をすべて満たしていることを確認します。
- 最新の修正プログラムが適用された GWSMO の最新リリースを使用していることを確認します。詳しくは、最新リリースをご覧ください。
- Outlook の PST ファイルが破損していないことを確認します。Outlook のデータファイルを修復する方法については、Microsoft のこちらの記事をご覧ください。
他に報告されている問題があるか確認する
Google はこの事象を認識しており、修正に向けて取り組んでいるか、回避策を提案できます。確認するには、Google Workspace の既知の問題の「データの移行と同期」で該当する問題を検索してください。
Google、Google Workspace、および関連するマークとロゴは、Google LLC の商標です。その他すべての企業名および商品名は、関連各社の商標または登録商標です。